CAFUAレコードより、マスランカ没後3年の命日に、雲井雅人サックス四重奏団の「雲井雅人サックス四重奏団ベスト」、厚木西高等学校吹奏楽部「D.マスランカ : 子供の夢の庭」の2タイトルのCDが発売される。
「雲井雅人サックス四重奏団ベスト」は文字通りのベスト盤。過去のアルバム「マウンテン・ロード」「レシテーション・ブック」はすでに廃盤となっているため、新しいファンには嬉しいところ。
厚木西高等学校吹奏楽部「D.マスランカ : 子供の夢の庭」は1999年に発売され、現在は廃盤となっているCDのリマスタリング再発盤。コンクールの流行に左右されず自ら新しい作品との出会いを求め、演奏していた中山鉄也氏と厚木西高等学校吹奏楽部。選曲のひとつのアプローチとしても参考になる盤です。
詳細は以下の通り。
雲井雅人サックス四重奏団ベスト
The Best of Masato Kumoi Sax Quartet
品番:CACG-0302
定価:税込 2,750円
発売日:2020年8月6
メーカー:CAFUAレコード
▼メーカーより
1996年結成後、日本のサックス界において独自の存在感を示し確固たる信念を貫き続ける「雲井雅人サックス四重奏団」。雲井雅人と彼の教え子達による共通した音楽言語から導かれる深い響き、美しいハーモニー、音楽の奥底からすくい上げられるメッセージ性など彼等の表現する音楽は、特にマスランカのような底知れぬ世界観と精神性を有する作品で真価を発揮します。惜しくも2017年に鬼籍に入ったマスランカの2作品を含むこのベスト盤は、そんな「雲カル」の魅力を凝縮。一方、イトゥラルデ「ギリシャ組曲」のようなキャッチーでノリの良い作品でも彼等のアンサンブルは輝きを損ないません。
常に音楽と真摯に向き合い、最上の表現を追求し続ける「雲カル」のエッセンスが詰まった、珠玉のベスト盤です。
演奏:雲井雅人サックス四重奏団
ソプラノ・サクソフォーン/雲井雅人
Masato Kumoi
アルト・サクソフォーン/佐藤 渉
Wataru Sato
テナー・サクソフォーン/林田和之
Kazuyuki Hayashida
バリトン・サクソフォーン/西尾貴浩
Takahiro Nishio
収録内容:
デイヴィッド・マスランカ
David Maslanka (1943-2017)
マウンテン・ロード
MOUNTAIN ROADS for Saxophone Quartet (1997)
[1] 1.序曲
Overture
[2] 2.コラール:われは何処にか逃れ行くべき
Chorale: Wo soll ich fliehen
[3] 3.アリア(コラール前奏曲の形式で)
Aria (in the style of a chorale prelude)
[4] 4.コラール
Chorale
[5] 5.アリア
Aria
[6] 6.終章 - 人はみな死すべきもの
Finale – All menschen mussen sterben
デイヴィッド・ケックレー
David Kechley (1947)
ステッピング・アウト
Stepping Out (1989)
[7] I.ミニマム・オーバードライブ
Minimum Overdrive
[8] II.ミッドナイト・リフレクション
Midnight Reflection
[9] III.アノニムス
Anonymous
[10] IV.イージー・バーデン
An Easy Burden
ウィリアム・バード/編曲:ポール・ハーヴェイ
William Byrd (C.1543-1623)/arr. Paul Harvey (1935-)
[11] ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ
Pavane for the Earl of Salisbury (C.1613)
ペドロ・イトゥラルデ
Pedro Iturralde (1929-)
ギリシャ組曲
Suite Hellenique(1989)
[12] カラマティアノス
Kalamatianos
[13] ファンキー
Funky
[14] ワルツ
Valse
[15] クレタ
Kritis
デイヴィッド・マスランカ
David Maslanka (1943-2017)
レシテーション・ブック
Recitation Book (2006)
[16] 打ち砕かれた心:コラール旋律「三つにして一つなる汝」による瞑想曲
Broken Heart : Meditation on the chorale melody
“Der du bist drei in Einigkeit” (You who are three in one)
[17] 序奏 / コラール:「イエスよ、わが喜びよ」による瞑想曲
Prelude/Chorale : Meditation on the chorale melody “jesu mein e Freude” (Jesus my joy)
[18] ここで死にゆく!(ヴェノーサ公ジェズアルド、1596)
Ecco, moriro dunque (Look! My death is near!) Gesualdo di Venosa , 1596
[19] グレゴリオ聖歌「おお、救い主なるいけにえよ」による瞑想曲
Meditation on the Gregorian Chant “O Salutaris Hostia” (O Salva tion’s Victim)
[20] ファンファーレ / 変奏:「アダムの罪によりて」による
Fanfare/Variations on the chorale melody “Durch Adams Fall” ( Through Adam’s Fall)
村松崇継/編曲:浅利 真
Takatsugu Muramatsu (1978)/arr. Makoto Asari (1976)
[21] 彼方の光
Far away (2006)
【雲井雅人サックス四重奏団 プロフィール】
1996年、雲井雅人を中心に共通の発音コンセプトを重視した美しいハーモニーを実現するために結成。2000年12月、三鷹市芸術文化センター風のホールにてデビュー・コンサートを開催。マスランカ作曲「マウンテン・ロード」を日本初演。2002年、デビューCD「マウンテン・ロード」。 2004年、2nd CD「チェンバー・シンフォニー」をリリース。2006年、井崎正浩指揮・尚美学園大学オーケストラとフィリップ・グラス「サクソフォーン四重奏のための協奏曲」を日本初演。2007年、イーストマン音楽院はじめアメリカ各地の大学および中国上海でツアーを行った。マスランカ作曲「レシテーション・ブック」を委嘱世界初演。2008年「レシテーション・ブック」「むかしの歌」の2枚のCDをリリース。2009年、オーティス・マーフィーとの全国ツアーを開催。2010年、その模様を収めたDVD「オーティス・マーフィー×雲井雅人サックス四重奏団ジャパンツアー2009」(レコード芸術誌準特選盤)をリリース。2012年6月、イリノイ州のノースウェスタン大学にて公演。同年9月には、銀座ヤマハホールにて、マスランカを招き第10回記念リサイタルを開催。「ソングス・フォー・ザ・カミング・デイ」を委嘱世界初演。またJ.S.バッハ作曲/マスランカ編曲「ゴルトベルク変奏曲」の献呈を受け世界初演。同年10月、CD「ソングス・フォー・ザ・カミング・デイ」をリリース。2013年「ジャパン・バンド・クリニック」でコンサートと講演を行う。同年、メイン州で行われた「フレデリック・ヘムケ・サクソフォン音楽院」に講師として招かれる。2017年、バージニア州のジョージ・メイソン大学で行われたアメリカ合衆国ネイビー・バンド主催「第39回国際サクソフォン・シンポジウム」に、翌2018年にはオハイオ州のシンシナティ大学で行われた「北アメリカ・サクソフォーン評議会」に招待され演奏とマスタークラスを行なう。2019年、東京、名古屋、仙台にて第16回定期演奏を開催した。
D・マスランカ : 子供の夢の庭
指揮/中山鉄也
厚木西高等学校吹奏楽部
リマスタリング盤
※ブックレットはCACG-0005(1999年発売当初のオリジナル)と同じものを使用しています。
品番:CACG-0303
定価:税込 2,420円
発売日:2020年8月6
メーカー:CAFUAレコード
▼メーカーより
先鋭的なパフォーマンスで当時注目を浴びていた中山鉄也指揮厚木西高校。個性的な選曲と演奏を披露した1999年ライブと、2017年この世を去ったマスランカの究極の吹奏楽作品を後世に残すべく、リマスタリング盤で再リリースです。
「子供の夢の庭」はある少女が見た不思議な夢をモチーフに書かれた難解な作品で、作曲者マスランカ自身の空想感覚をスケール豊かに結実させた現代吹奏楽曲の傑作です。それだけにこの曲を完成させた彼等の想像力には驚かされます。決して高校生の域を出る演奏ではないが、音楽の密度と作品への深い解釈においてはマスランカ本人からも喜ばれた素晴らしい演奏です。
この演奏会では他にも、広大な湖に太陽が輝きながら沈んでいく光景を美しく描いた「ソル・ソラーター」や、8種類の動物達を擬音や奏法でユーモアたっぷりに描写した「聖フランシスの讃歌」、ギリングハムの「コンチェルティーノ」の日本初演など聴きどころ満載です。
演奏:厚木西高等学校吹奏楽部
指揮者:中山鉄也
収録内容:
ティモシー・マー
Timothy Mahr
[1] ソル・ソラーター(1998)
sol solator ≪Japan Premiere≫
ダニエル・バクヴィッチ
Daniel Bukvich
聖フランシスの讃歌(1992)
Hymn of St. Francis
[2] 序章 祈り
Invocation
[3] 第1変奏 星椋鳥のざわめき
A Murmuration of Starlings
[4] 第2変奏 カニの横歩き
A Scuttle of Crabs
[5] 第3変奏 海カモメの喧嘩
A Squabble of Seagulls
[6] 第4変奏 クラゲの溜息(ためいき)
A Smack of Jellyfish
[7] 第5変奏 ドラマーの啄木鳥
A Drumming of Grouse and a Gatling of Woodpeckers
[8] 第6変奏 ブンブン飛ぶ蜂
A Buzzing of Bees
[9] 第7変奏 ガラガラ蛇のルンバ
A Rhumba of Rattlesnakes
[10] 第8変奏 燕の群れ
A Flight of Swallows
デイヴィッド・ギリングハム
David R.Gillingham
[11] コンチェルティーノ(1997)
4人の打楽器とウィンド・アンサンブルの為に
Concertino for Four Percussion and Wind Ensemble
≪Japan Premiere≫
デイヴィッド・マスランカ
David Maslanka
子供の夢の庭(1981)
A Child’s Garden of Dreams
[12] 第1楽章
「月には砂漠があり、少女は深くその中に沈み、地獄に辿り着く夢」
There is a desert on the moon where the dreamer sinks so deeply into the ground that she reaches hell.
[13] 第2楽章
「酔っぱらった女性が水の中に落ち、酔いから醒めて水から上がってくる夢」
A drunken woman falls into the water and comes out renewed and sober.
[14] 第3楽章
「小動物の群れに追いかけられる。小動物は恐ろしい大きさになり、そのうちの一匹に少女は食べられてしまう夢」
A horde of small animals frightens the dreamer. The animals increase to a tremendous size, and one of them devours the little girl.
[15] 第4楽章
「一滴の水を顕微鏡でのぞいて見ると、その中は木の枝で繁っており、その一つ一つが世界の始まりであった夢」
A drop of water is seen, as it appears when looked at through a microscope. The girl sees that the drop is full of tree branches. This portrays the origin of the world.
[16] 第5楽章
「天国に昇ってみると、異教徒達が祝宴を挙げていて、地獄に降りていくと、天使達が良いことを行っていた夢」
An ascent into heaven where pagan dances are being celebrated; and a descent into hell where angels are doing good deeds.
デイヴィッド・ギリングハム
David R.Gillingham
[17] 闇の中のひとすじの光(1997)
A Light Unto the Darkness
厚木西高等学校吹奏楽部 第12回定期演奏会
1999年5月8日 厚木市文化会館大ホールにてライブ収録
協賛
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